動画編集をするのであれば、いろいろなツールを準備する必要があります。今回紹介するUt Video Codec Suiteも、動画編集をしている人の間で人気のあるツールの一つです。可逆圧縮コーデックなのですが、どんな特徴があるのか、どのように使うのかについてまとめました。
Ut Video Codec Suiteとは何か?
まずはUt Video Codec Suiteはどのようなものなのかについて紹介します。動画編集やデスクトップキャプチャを良くする人は押さえておいて損のないツールの一つといえます。
Ut Video Codec Suiteの基本情報
Ut Video Codec Suiteとはビデオコーデックの一種で、梅澤威志という人によって開発されました。AVIファイルの圧縮のコーデックとして人気のあるHuffYUVの後継モデルとして登場しました。
HuffYUVと比較してより良い圧縮率で調整できるようになりました。色空間などにも対応したツールです。CPUではX86とX64に対応していますし、HDTV素材をリアルタイムでエンコードもできるので利便性は高いです。
Ut Video Codec Suiteの特徴
コーデック関係のソフトやツールを見てみると外国製のものが多いです。中には英語表記になっていて、語学力に自信がない人だと使い方に戸惑う人もいるでしょう。
しかしUt Video Codec Suiteは日本人が開発した国産のソフトです。よって日本語表記ですから、英語に苦手意識を持っている人でも気軽に導入できるでしょう。
スピーディに圧縮できますし、ロゴも入らないのできれいな仕上がりが期待できます。色空間ではRGBやYUV422、YUV420、RGBAといった形式に対応しています。マルチスレッドにも対応しているので切り替えもスムーズです。
ただし注意点もあります。特に注意してほしいのは、YouTubeには直接投稿できない点です。YouTubeに動画をアップしようと思っている人は、この点を理解しておきましょう。
ユーザーを見てみるとキャプチャソフトや動画編集ソフトにおける中間ファイルを出力するときのコーデック作業をする際に活用している方が多いようです。
Ut Video Codec Suiteをダウンロード・インストールしてみよう
Ut Video Codec Suiteはソフトなので、まずは自分のパソコンにダウンロードして、インストールする作業が必須です。どのようにインストールすればいいかについて、まずは説明しましょう。
ダウンロードする
まずはダウンロードです。作者のページもしくは「k本的に無料ソフト・フリーソフト」のページからも手続きは可能です。ちなみに以下で紹介するスクショは後者のダウンロードページです。
キャプチャの下部にある「ダウンロード」ボタンをクリックしましょう。するとみなさんのパソコンに取り込まれるはずです。
解凍する
ダウンロードするとZIPファイル形式で表示されるはずです。これを解凍しましょう。するとフォルダに関するダイアログが立ち上がるはずです。
セットアップを選択すると、まず言語の選択について尋ねる画面が現れます。「日本語」のままで「OK」ボタンをクリックしてください。
インストールする
するとUt Video Codec Suiteのセットアップウィザードが起動するはずです。キャプチャーのように「次へ」というボタンが現れますので、指示の通りにクリックしましょう。
基本的に「次へ」ボタンをクリックすればいいのですが、使用許諾契約書の同意という画面が途中現れます。この時は「同意する」というところにチェックを入れるのを忘れないようにしてください。
また途中でソフトの保存場所を指定するダイアログが出てくるでしょう。そのままだと「ローカルディスク(C:)」となるはずです。もし別のところに保存したければ、保存先を指定しましょう。
別にどこに保存すればいいかわからないというのであれば、そのままでも問題はないでしょう。
全ての設定が完了すると、下部に「インストール」というボタンが出てくるはずなので、こちらをクリックしましょう。しばらくすると「セットアップウィザードの完了」というメッセージが現れるでしょう。
下部の「完了」ボタンをクリックすれば、インストールの手続きはすべて終わったことになります。
Ut Video Codec Suiteの設定をする
ソフトのインストールが終わったら、Ut Video Codec Suiteは自由に使用できるようになります。次にやらないといけないのは、設定です。コーデックをどうするか、自分の好きなようにカスタマイズしましょう。
ビデオ圧縮の選択
Ut Video Codec Suiteを利用する場合、Aviutlにて設定するユーザーが多いようです。Aviutlを起動してUt Video Codec Suiteを使用する場合、「ファイル」→「プラグイン出力」の順番でクリックします。
すると画面の左側に「ビデオ圧縮」というメニューが出てくるでしょう。こちらをクリックしてください。
すると「拡張編集AVI/BMP出力の設定」というダイアログが表示されるでしょう。ここで圧縮プログラムをどうするか選択します。ここでファイルサイズや画質の設定を行います。
どの形式を選択すればいいかわからないという人もいるでしょう。ファイルサイズの場合、RGBAが最も大きいです。次いでRGB・YUV422・YUV420の順番でコンパクトサイズになります。
ただしRGBとYUV422との間にはかなりの差があることも留意してください。
画質についてもRGBAが高画質になります。ただしもし透明度情報のない動画の編集をする場合には、RGBAにしてもあまり意味はないでしょう。サイズ的に見てもRGBもあれば十分なはずです。
ちなみにYouTubeやニコ動にアップしようと思っている人もいるでしょう。この場合、どの形式を選択してもYUV420にダウンしてしまいます。これらの動画サイトに投稿するのが主目的の場合には、最初からYUV420を選択するのが無難です。
普通の動画やアニメをアップしたり視聴したりするのであれば、YUV420もあれば十分です。画質の部分でもパッと見た分には見劣りしないからです。拡大してじっくり見れば、その違いは分かるかもしれません。
しかしそこまでまじまじとディスプレイを見る人はいないでしょうから、基本YUV420で不都合はないはずです。
ただしCG的なきれいさにこだわるような作品であれば、RGBレベルは必要かもしれません。
エンコード設定を行う
続いて詳細なエンコード設定を進めましょう。「設定」ボタンがあるはずなので、ここをクリックすれば、エンコード設定の画面にジャンプします。画面の中にいくつか選択肢があります。中には何を意味しているのか分からない項目があるかもしれません。
まずフレーム分割数という欄が上部にあるでしょう。これは皆さんのお手持ちのパソコンのCPUの対応スレッド数のことです。しかしスレッド数といわれてもわからないという人もいるでしょう。その場合にはこの数字はそのままでかまいません。
もしくはその下に「論理プロセッサ数と同じする」という項目があるはずです。こちらのボックスのチェックを入れてもいいです。
次に「圧縮率」と「デコード速度」いずれかを優先する選択肢がレイアウトされているでしょう。これは人によりけりです。圧縮率優先にするとファイルサイズはコンパクトにできますが、再生したときのCPUにかかる負担が大きくなります。
一方でデコード速度を優先にするとCPUの負担は軽減されますが、ファイルサイズが大きくなって容量を圧迫するかもしれません。
一番下に「インターレース映像としてエンコード」という項目があるでしょう。これは元の動画がインターレース動画だった場合にチェックを入れると、最適化された状態でエンコードできる機能です。
ただしインターレースが解除されるわけではないので、勘違いしないように注意です。最適化はできますが、画質がアップするわけではないのでこの部分も誤解しないように注意してください。
設定を保存する
設定がすべて完了できたところで、これを保存しましょう。こちらの操作はWindowsのスタートメニューからアプローチします。スタートメニューをクリックするといろいろなツールやソフトのメニューが出てくるはずです。
その中でも「Ut Video Codec Suite」→「Global Configuration」の順番でクリックしてください。
すると「Ut Video Codec Suiteのグローバル設定」というダイアログが立ち上がります。2つの選択肢が出てくるでしょう。「コーデック側で設定をグローバルに保持する」と「コーデッククライアントからの設定を無視する」の2つです。
前者はエンコード系のソフトでそれぞれの設定を保存できるようになります。一方後者は設定が保存されず、デフォルトの状態で固定される選択肢です。
まとめ
可逆圧縮コーデックの中でもポピュラーなソフトなのが今回紹介したUt Video Codec Suiteです。圧縮率もなかなかなもので、画質そのものは悪化することもないです。しかも処理スピードも速いので、ちょっとした時間を使って編集することも可能です。
動画ファイルのフォーマットの選択肢もいくつかありますし、圧縮率とデコード速度のどちらを優先するかもユーザー側の任意で設定できるのも長所といえます。なにせ日本人の開発者によってつくられた国産ソフトというのが魅力です。
動画編集を本格的に始めてみようと思うのであれば、とりあえず押さえておきたいソフトと言えるでしょう。