ブルーレイが登場したものの、DVDは現在でもスタンダードな記録媒体として利用されております。DVDコピーやリッピングソフトは有料、無料問わず多く存在しています。そういったなかすでに開発終了してしまった、強力DVDリッピングソフト「DVD Shrink」は注目です。現在でもDVDコピーには、欠かせない存在となっています。そこで今回は現代でも使える、DVD Shrinkについて詳しく解説していきましょう。
DVD Shrinkとは?
DVD Shrink(DVDシュリンク)は、2000年代初期に開発されたDVDリッピングソフトです。当時から「有料ソフトすら超える機能をもつフリーソフト」として、有名でした。
その当時のPCは性能が低かったので、リッピングに要する時間は数時間でした。現在では考えられないような時間がかかっていたのも特徴です。現在はPC性能の向上によって高速化しています。DVD Shrinkには、以下の機能が搭載されています。
- DVDのコピーガードを解析して解除する
- 片面二層ディスクを片面一層に圧縮して出力する
当時MP4の圧縮技術であるH.264は登場したばかりで、実際に利用できるソフトは少なかったのです。またPC性能が低かったことから現在のように、DVDをMP4データに変換するという方法は一般的でありませんでした。
そこでDVD Shrinkに搭載されている「圧縮技術」を利用することで、片面二層ディスクを片面一層ディスクに変換する方法がとられていました。
また圧縮する際にはDVDデータの情報を詳しく解析して、「圧縮による劣化」を防ぐ対策などもなされていたのです。当時から「劣化の少ない優秀なリッピングソフト」として、利用されていました。
現在は開発が停止しているため、最新のコピーガードには対応していません。しかしほとんどのコピーガードに対応していることから、現在でも主力で使えるソフトです。
DVD Shrinkの主な仕様
DVD Shrinkはコピーガードを解除して、ISO、DVDファイルに変換できるソフトです。片面二層(8.5GB)を、片面一層(4.7GB)のデータに圧縮してコピーできます。
読み込み可能なメディア
- DVDディスク(コピーガード対応メディアのみ)
- ディスクイメージファイル(ISO、NRG、IMGイメージ)
- DVDファイル(VIDEO_TS、AUDIO_TSフォルダ)
出力ファイル形式
- ISOイメージファイル
- DVDファイル(VIDEO_TS、AUDIO_TSフォルダ)
※DVD Shrink自体にはライティング機能がありません。ファイルをライティングする際には、別途ソフトが必要です。またMP4などの動画形式に変換する機能もありません。
ディスクイメージの圧縮方法
- 非圧縮、自動から選択する(自動は劣化を最小限にした圧縮方法、非圧縮はそのままコピー)
- カスタム(任意に圧縮量を調整可能)
- スティルイメージ(ビデオをイメージに変換できる
- スティルピクチャー(静止フレームへの変換)
DVD Shrinkの使い方
DVD Shrinkの最新バージョンは3.2.0.16で、最後の更新は11年前となります。また2012年10月の法律改正によって、DVD Shrinkの日本語版は使用禁止となっています。インストールしないように注意してください。
またウイルスバスターやノートンなどのウイルス対策ソフトを利用していると、危険なソフトとして弾かれてしまう可能性もあります。安全性を考慮するために、ダウンロードは以下の英語版公式サイトより行ってください。
ホームページhttp://dvd-shrink.en.softonic.com/
DVD Shrinkのインストール方法
- 英語版公式サイトからDVD Shrinkをダウンロードしたら、インストーラを「実行」してセキュリティ警告も「実行」をクリックします。
- DVD Shrinkのセットアップウィザードがスタートしたら、使用許諾書の画面にある「I accept the agreement」をチェックして「Next」を選択します。
- インストール先を選択しましょう(問題なければデフォルトでOKです)。
- ショートカット作成の有無を聞かれるので、デスクトップショートカットを作成する場合は、「Create a desktop icon」を選択します。タスクバーのショートカットを作成する場合は、「Create a Quick launch icon」をチェックしてください。
- 「Install」をクリックして、DVD Shrinkをインストールします。
- インストール完了後、そのままソフトを起動させる場合は「Launch DVD Shrink」にチェックを入れて「Finish」を選択しましょう。そうでない場合はチェックをつけないでください。
DVD Shrinkのインストール方法に、難しいことはありません。普段からソフトのインストールを行なっている人であれば、問題なくインストールできるでしょう。
DVD ShrinkでDVDを読み込む
DVD Shrinkは機能が少ないため、とくに難しいことはありません。しかし英語表記のため「操作がわからない」という人もいるでしょう。そこで以下では通常の使い方から、応用的な使い方まで解説していきましょう。
- DVD Shrinkを立ち上げたら、DVDをドライブにセットし画面右上にある「Open Disc」を選択します。
- DVDを読み込むと左ウィンドウにデータファイル、右ウィンドウにVideoファイルの圧縮率とAudioファイル・字幕ファイルが表示されます。
- 左ウィンドウで対象となるファイルを選択します(コピーするデータファイルです)。
- 右ウィンドウ上部にある選択から、「Automatic(自動)」を選択します(圧縮率は任意です)。
- 右ウィンドウにあるAudioから、音声言語を選択します(日本語・英語など)。
- 右ウィンドウ下部にある「Subpicture」から、任意の字幕を選択しましょう。
- 設定が完了したら「Full Disc」を選択すると、出力先のダイアログが出るため任意の場所を選択します
- 「Analysis」を求められるので、解析も一緒に行いましょう。
- ディスクの解析が完了するまで待ちます。
DVDのリッピングはこの方法ですべて行えます。万が一ディスクの解析ができない、読み込みできない場合は、最新のコピーガードが使われているDVDの可能性があるでしょう。
DVD Shrinkでリッピングしたデータを書き込む場合
DVD Shrink自体にはライティング機能がないため、データを書き込むためには別途ソフトが必要になります。書き込みには「DVD Decrypter」や「Img Burn」などの、フリーソフトを利用するとよいでしょう。
※DVDに書き込む場合は、ISOイメージファイルで出力する必要があります。
ISOイメージファイルの出力方法
- 「Full Disc」を選択するまでの手順は、基本的な使い方と同じです。
- 出力先のダイアログが表示されたら、書き込み設定からISOイメージファイルを選択しておきます。
- ISOファイルとしてできたデータを、別のライティングソフトで書き込みましょう。
DVD Shrinkでリッピングしたデータを変換する
DVD ShrinkでリッピングしたデータをMP4やWMV、AVIなどのフォーマットに変更したい方もいるでしょう。その場合ライティングと同様、別途ソフトが必要になります。
ただしコピープロテクトなどは解除されています。動画ファイルを変換できる機能をもっているソフト(HandBrakeなど)であれば、なんでも大丈夫です。
※動画変換を行う場合は、変換先のソフトが対応しているフォーマットに変換しておくことを、忘れないようにしてください。ISOイメージファイルかVIDEO_TSフォルダにしておけば、間違いありません。
DVD Shrinkでエラーが出てしまう、リッピングできない場合
DVD Shrinkは11年前に更新が止まっているため、最新のCSSに対応しておりません。エラーとなってしまう場合があります。そうしたトラブルが発生した際には、別の「高性能リッピングソフト」を利用することで解決できるでしょう。
DVD Shrinkを超える!DVD Ripper(WinX DVD Ripper Platinum、MacX DVD Ripper Pro)
ホームページhttps://www.winxdvd.com/dvd-ripper-platinum/index-jp.htm
Win、Mac両方に対応した、高性能DVDリッピングソフトです。有料ではあるものの日本語対応、最新のコピーガード対応・グラボを使ったリッピングなどがあります。優れた機能を備えた現時点での最強DVDリッピングソフトです。
簡単に安心してDVDリッピングを行いたいのであれば、現在はDVD Shrinkよりもこちらがおすすめです。
またリッピング時にMP4などのフォーマットに、同時変換してくれます。DVDを手軽にリッピングできるでしょう。
DVD Fab
ホームページhttps://ja.dvdfab.cn/dvd-ripper.htm?trackid=headmenu2,headmenu2
DVDコピー・リッピングをはじめ、ブルーレイのコピーやリッピングにも対応している高性能ソフトです。DVD Ripperよりも、高価であるというデメリットはあります。
しかし最新のコピーガードはもちろん、ブルーレイのリッピングにも対応しています。ブルーレイも利用するという人であれば、こちらを選択する方がよいでしょう。
各機能に合わせた単品売りをしているので、用途に合わせたものを購入することで費用を抑えられます。
まとめ
今回はDVD Shrinkについて、詳しく解説をしていきました。古いソフトなため、機能制限やできないことなどが多くあります。しかし簡単にDVDを圧縮できるソフトは、DVD Shrinkを置いて他にはありません。
シンプルな操作性も合間って現在でも根強い人気のある、リッピングソフトといえるかもしれません。まずはDVD Shrinkを使って、不満が出たら他のリッピングソフトを使ってみるとよいかもしれませんね。