YouTubeで動画や音楽を楽しんでいると、ひっきりなしに流れる広告にうんざりという経験はありませんか。広告の数は人気の動画であればあるほど多く、多いときはひとつの動画に4つも5つもみせられることがあります。またYouTubeをバックグラウンド再生しておいて、他のアプリで別のことがしたいと感じる方も多いのではないでしょうか。
YouTubeの広告を消し、バックグラウンド再生などの便利な機能も使える便利なアプリがあります。しかもそれが無料で使えると聞いたら、ぜひとも使ってみたいでしょう。そういった便利なアプリがYouTube Vancedです。この記事ではYouTube Vancedとはどういったアプリなのか、またその導入方法や便利な機能の使い方について解説していきます。
YouTube Vancedは導入方法が少し難しいものの、この記事を読んでいただければどなたにでもインストールできるでしょう。ぜひとも読んで参考にしてください。
YouTube Vanced とは
YouTube VauncedはYouTubeの公式アプリを改造し、さまざまな便利な仕様が加わったAndroid用の非公式アプリです。YouTube Vauncedの便利な機能には、以下のようなものがあります。
- 動画中に再生される広告をすべて削除する
- 他のアプリを立ち上げても再生できる、バックグラウンド再生が可能
- 軽量コーデック(VP9)を使うことにより、通信料を抑える
- Wi-Fi利用時は1080pで動画視聴するなど、デフォルト動画解像度を変更する
- 再生速度のデフォルトが変更できる
- テーマの背景は有機ELディスプレイに最適な、黒かダークに変更できる
- 音量や画面輝度をスワイプで調整できる
- ピクチャーインピクチャーが使える(Android8.0以降から)
とくにわずらわしい広告の削除や、バックグラウンド再生機能などはYouTubeユーザーにとってはまさに理想といえる機能でしょう。
YouTubeは広告の削除やバックグラウンド再生の需要が以前から高く、YouTube Vanced以外にもさまざまな改造版アプリがありました。しかし現在はYouTube Vanced が、貴重な改造版YouTubeの代表となっています。
YouTube Vanced のインストール方法
ここからはYouTube Vanced の、インストール方法を説明していきましょう。
Vanced MicroG とVanced Managerのインストール
YouTube Vancedを使用するためには、まずは「Vanced MicroG」と「Vanced Manager」というアプリ、ふたつのAPKをインストールする必要があります。APKとはAndroid Application Packageの略で、圧縮ファイルの一種です。
内部にアプリがAndroidのデバイスで正しくインストールされ、起動されるのに必要なコンポーネントがすべて含まれています。
Android8.0以降では「APKファイルを開くときに使用したアプリ」に、許可を与えるという方式に変わっているのです。chromeでダウンロードした場合「設定」を求められます。
設定をタップするとchromeのアイコンとともに、「不明なアプリのインストール」に「この提供元のアプリを許可」するかのスイッチが表示されるためオンにしましょう。そして戻るボタンをタップ、「インストール」します。
Android7.1までは、端末の設定を少し変えるとインストールが可能です。アプリの一覧から「設定」をタップ、もしくはステータスバーの歯車アイコンをタップします。次に「セキュリテイ」を開き、「提供元不明のアプリ」という項目をタップしましょう。
そうすると「これにより提供元不明のアプリから携帯電話や個人データが攻撃を受ける可能性が高くなります。これらのアプリを使用することにより生じる可能性がある携帯電話への損害やデータの損失について、お客様が責任を追うことに同意するものとします。」と表示されるでしょう。
内容を確認し、「OK」をタップしましょう。そうするとAPKファイルをインストールできるようになります。「Vanced MicroG」で検索し、APKをダウンロードします。ダウンロードできたら開きましょう(以下使用環境:Android9.0)。
Vanced MicroGをインストールする許可を求められるので、「インストール」をタップします。次に「Vanced Manager」をインストールするために、「YouTube Vanced」の公式ホームページにアクセスしましょう。
「Vanced Manager(v2.6.2)」をタップすると、「この種類のファイルはお使いのデバイスに悪影響を与える可能性があります。manager.apkを保存しますか?」と、表示されるので「OK」をタップします。
manager.apkをダウンロードすると、Vanced Managerをインストールする許可を求められるので、「インストール」をタップしましょう。
YouTube Vancedのインストール
アプリがインストールされたら、「開く」をタップして「さあ、始めましょう」をタップします。「YOUTUBE VANCED」と「YOUTUBE MUSIC VANCED」の、ふたつのアプリの選択を求められます。
使用するアプリのチェックボックスに、チェックを入れましょう(初期設定ではチェック済みです)。
「端末をルート化していますか?」と問われるので、root版かわからない場合、またrootを使用したくない場合は下の青い矢印をタップします。
「ようこそ Vancedapp.com、VancedのDiscordサーバーまたはGitHubからアプリをダウンロードしたことを確認してください」と表示されるので、「閉じる」をタップします。そうすると以下のような画面が表示されるでしょう。
「YouTube Vanced」をタップします。ここで下の矢印をタップすると、「YouTube Vancedのインストール設定」の表示が出てきて、以下の設定を行えます。
- テーマ
- バージョン
- 言語
テーマは「ライト+ダーク」か「ライト+ブラック」の2種類から選択できるのです。バージョンは最新版と過去10バージョンから、選択が可能です。言語は日本語のほか、数々の各種言語から選択できます。設定が終わったら、「インストール」をタップしましょう。
ここで「セキュリティ上の理由から、お使いのスマートフフォンではこの提供元からの不明なアプリをインストールすることができません」と表示されたら、「設定」をタップします。Vanced Managerに提供元のアプリを許可します。
APKファイルのインストールができない場合はGoogle Playストアから、「Split APKs Installer(SAI)」をインストールしましょう。
APKファイルのインストールができない場合はファイルの拡張子が「apk」ではなく「apks」であることが原因です。そのために必要なのが「Split APKs Installer(SAI)」というインストーラーです。このインストーラーはこのAPKsファイルをインストール、エクスポートする機能を持ちます。Split APKs InstallerはGoogle Playストアから、「インストール」のボタンをタップするだけで簡単にインストールできます。
YouTube Vanced の使い方
ここからはYouTube Vancedの使い方を説明していきます。
ピクチャーインピクチャー再生
YouTube Vancedのアプリを立ち上げると、通常のYouTubeアプリと変わらない操作性で使えることがわかるでしょう。しかし自動的に広告はカットされます。
好きな動画を選んでホーム画面に戻り、別のアプリを開いてもYouTubeは小さな画面で再生させておく、「ピクチャーインピクチャー」ができるようになっています。
「ピクチャーインピクチャー」を無効にするためには、ホーム画面上部のアイコンからアカウントメニューに入りましょう。そうして「設定」を開き、「全般」から「ピクチャーインピクチャー」をオフにします。
「ピクチャーインピクチャー」をオフにすると、画面の表示はされずにBGMとして音声だけで、バックグラウンド再生を楽しめます。
VP9コーデックの有効化
VP9コーデックの有効化は、「Vancedの設定」に入って行えます。
「Vancedの設定」から、VP9コーデックのスイッチをオンにすると有効にできるのです。
広告の設定
広告の設定は「Vancedの設定」から「広告の設定」に入ります。設定できるのは以下のとおりです。
- 一般的なレイアウトの広告の削除
- 関連商品の削除
- コミュニティの投稿を削除
- YouTubeムービーの削除
- コンパクトなバナーの削除
- コメント欄の削除
- コンパクトな動画の削除
- ムービー欄の削除
- アンケートの削除
- ショート欄
- コミュニティガイドライン
レイアウトの設定
レイアウトの設定は「「Vancedの設定」に入り、「レイアウトの設定」から可能です。設定できるのは以下のようになっています。
- YouTubeストーリー(試験的)
- 終了画面
- カード
- ブランディングロゴ
- キャストボタン
- タブレットミニプレーヤー
- コメントの場所(アルファ)
- 作成ボタン
- 広い検索バー
リピート再生
YouTube Vancedで動画をリピート再生するためには、アカウントメニューから「設定」を開き「Vancedの設定」をタップします。「その他」を開き、「自動リピート」をオンにしましょう。
スワイプコントロール
YouTube Vancedの全画面表示時には、スワイプで画面の輝度や音量を調節できる機能があります。アカウントの「設定」から「Vancedの設定」に入りましょう。
「レイアウト設定」から「明るさのスワイプコントロール」「音量のスワイプコントロール」を、スワイプで調節するかの設定ができます。また「スワイプのしきい値」「スワイプ余白」も、カスタマイズできるのです。
SponcerBlockの設定
YouTube Vancedでは、デフォルトで広告が削除されています。もしYouTube Vancedで広告が表示される場合は、偽サイトでAPKがインストールされているかもしれません。公式サイトよりインストールするようにしましょう。
YouTube Vancedでは、「設定」から「SponcerBlockの設定」 が行えます。広告の種類(セグメント)によって、ブロックするかどうかを選択できます。興味を引く広告や有益な広告だけはみたいという場合に活用できるでしょう。
Googleアカウントへのログイン
YouTube VancedでGoogleアカウントにログインする場合は、YouTube Vancedのアカウントメニューから「ログイン」をタップします。「アカウントを追加」をタップし、Vanced MicroGの画面に入り「SIGN IN」をタップしましょう。
Googleアカウントログイン画面が表示されるので、ログインします。そうすると登録チャンネルや、再生リストの利用が可能になるのです。ログインがうまくいかない場合は、chromeを一時的に無効化することによって解決することがあります。
YouTube Vancedをアンインストールする場合
YouTube Vancedをアンインストールする場合は、通常のアプリのアンインストールと同様です。ホーム画面のアイコンをゴミ箱に移動し、「このアプリをアンインストールしますか?」と表示されるので、「OK」をタップするとアンインストールできます。
YouTube Vancedの危険性
YouTube VancedはGoogle Playストアでは、配布されていないアプリです。そのため「違法なのでは」「危険なのでは」と、思う方もいるかもしれません。
しかしYouTube VancedはYouTubeを改造したものであり、違法ではありません。またウィルスやマルウェアも混ざってはいません。安心してお使いいただけます。
まとめ
YouTube Vancedとはどういったアプリなのか、またその導入方法や便利な機能の使い方について解説をしていきました。YouTube Vancedは導入方法が少し難しいものの、一度導入してしまうと手放せなくなるほど便利です。
Androidユーザーであれば、必須のアプリだといえるかもしれません。広告もなしでバックグラウンド再生も可能なYouTubeを可能にするために、ぜひYouTube Vancedを導入してみましょう。
Google Playストアで提供されていないため、更新があるかないか確認は自分で行わなければならないなどのデメリットはあります。しかしその便利さには、病みつきになれることでしょう。